副業でライターの仕事をする人が増えています。雑誌や新聞などの従来の紙媒体に記事を寄稿するライターに加え、最近はウェブライターと呼ばれる、ウェブ専用で文章を執筆提供する人が増えてきているようです。副業としてのライターの仕事とはどのようなものなのか、実際にいくらくらい稼げるのか、現況をまとめてみました。
ライターという副業
ライターとは、文字通り文字を書くことを仕事にしている人のことです。一定の教育を受けた人であれば文字を書くことができるため、ライターという仕事を行うのは難しくはないと思われがちです。しかし、実際にライターの仕事をしている人の話を聞くと、現実はそう簡単ではないようです。
特に、本業ではなく副業としてライターをしている人の話を聞くと、副業ライターとして稼ぐことは決して簡単ではないようです。最近はウェブライターの受注単価が軒並み下がり、簡単には稼げなくなりつつあるようです。
ライターという副業はどれだけ稼げるのか、ライターという仕事をどのように見つけるのか、ライターとして稼ぐコツは何なのか、諸々探ってみました。
相場はピンキリ、稼ぐライターはどれだけ稼ぐ?
まず、ライターという仕事がどれだけ稼げるかについてだが、これはピンキリというほかなさそうです。ライターの多くは書いた文章の量に応じて報酬を得ます。多くは1字あたりいくらという単価で報酬を得ています。その単価がピンキリで、1字1円もらえれば良い方で、中には1字0.5円とか、0.1円などというケースも多くあります。1字0.1円だと、1000字書いても100円にしかなりません。
一方、筆者の知人に3Dプリンティング技術の世界的権威がいます。某プリンターメーカーの研究開発部門の責任者を務め、やがて独立して3Dプリンティング技術のコンサルティング会社を立ち上げた彼は、複数の工業系技術誌に定期的に記事を投稿しています。3Dプリンティング技術の最新動向などを綴ったものですが、彼が受け取る原稿料は1記事あたり5万円だそうです。1記事あたりの文字数は1000字程度ですので、1字あたりの単価は50円です。
1字あたり0.1円の仕事と、1字あたり50円の仕事との間には500倍の差があります。それぞれの仕事の受注頻度などを考慮する必要はありますが、単価的にはそれほどの差があるのです。さらに売れっ子ライターとなって人気が高まれば、単価はさらに上昇します。そのようなライターが稼ぐ額の上限は青天井に近いと言っていいかもしれません。
ライターの仕事の見つけ方
ところで、ライターという仕事はどうやって見つけるのでしょうか。ライターという仕事を初めてするという人は、ランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシングサイトを使うのが無難でしょう。いずれも「ライター」といったカテゴリで求人情報を掲載しています。
ライター初心者の場合は特に、最初は仕事が選べないかもしれません。最初は単価の安い仕事を請け、実績を積んでゆくことが求められるでしょう。実績を積み、経験とライティングスキルがたまれば、おのずと単価も上昇してきます。
また、クラウドソーシングサイト以外にも、検索で「ライター 募集」「ライター 求人」などと検索すれば求人情報が無数にヒットします。最近はライターを募集する専門サイトなども立ち上がってきているので、そういったサイトを利用するのも手です。
ライターという仕事は、突如なくなるというリスクを常に抱えています。仕事の多くは期間限定のプロジェクトで行われるので、ライターは常に仕事を探す必要があります。それゆえ、仕事を獲得するためのチャネルはいくらあっても多すぎるということはありません。
ライターとして稼ぐコツは?
さて、ライターとして稼ぐコツですが、なんといっても専門性を高めるということと、ライティングスキルと企画力を高めるということに尽きます。
上に、ある3Dプリンティング技術の世界的権威が1文字50円でライターの仕事をしていると書きましたが、それなどは極端な例でしょう。特定の領域で、希少性の高い情報やスキルを持っているライターは、クライアントのニーズと合致した場合、レートが大きく上がる可能性が高いです。
また、ライティングスキルを高めることも重要です。ライターとは文章を書くプロであるわけで、ライティングスキルがお粗末では話になりません。日本語を正しく用い、ロジックが整っていて表現力に富んだ文章を書けなければ、ライターとして稼ぐのはままならないでしょう。
さらに、企画力を高めることも重要です。ライティングの企画力とは、そもそも何について何をどう書くのかを発想する力のことです。漫画家でいうところの「ネーム」と呼ばれるプロセスのようなもので、実はこれがライターとして稼ぐためにもっとも重要な部分なのです。読み手が求める、価値を見出すものを構想できる力こそ、ライターに求められる最大のスキルです。
なお、ライターとして稼ぐためのアドバイスとしては、ライターという仕事をしている人は、できれば本を出版したほうがいいということです。一般的なライターの仕事は単発的で、収入も途切れがちです。ところが、本の出版の場合、売れたら売れた分だけ印税が入ってきます。特にロングセラーになると収入が継続して入ってきます。多くの漫画家が原稿料よりも印税を目指すように、ライターも同様にすべきです。そうなった場合、ライターの仕事はもはや「副業」ではなく、「本業」になっている可能性が大でしょう。