海外で日本産ウィスキーの人気が高まっています。世界的な賞を受賞するなど日本産ウィスキーの評価が高まり、海外のオークションで高額で落札されるケースが相次いでいます。日本産ウィスキー人気に乗じて、海外のオークションに日本産ウィスキーを出品するケースも増えています。海外のオークションに日本産ウィスキーを出品する際のポイントをまとめました。
高まる海外での日本産ウィスキー人気
海外で日本産ウィスキーの人気が高まっています。人気の理由はそのクオリティの高さです。日本産ウィスキーは15年ほど前より世界的に評価されるようになり、イギリスのワールド・ウイスキー・アワードやインターナショナル・スピリッツ・チャレンジといった国際的な賞を次々に受賞するようになりました。特にサントリーの「山崎」「響」「白洲」や、ニッカの「竹鶴」などは高く評価され、国内外での需要が高騰、製品在庫が払底して供給ができなくなるという事態を迎えています。
日本のウィスキーづくりは今から約100年前、広島県の日本酒醸造家の長男として生まれた竹鶴政孝がスコットランドに留学、現地でウィスキーづくりを学んだ事からスタートしました。現地の女性リタと恋に落ち、二人で日本へ帰国して日本でウィスキーづくりを始める波乱万丈の物語はNHKの連続テレビ小説でも描かれました。日本のウィスキーづくりは100年の歴史の中で各種のドラマを生み、試行錯誤と研鑽、そして技術蓄積を経て、現在の高みに至っています。
海外のオークションでも人気
そんな日本産ウィスキーですが、海外のオークションでも人気です。なお、ここでいうオークションとは、eBayのような一般人が利用するオークションのことではなく、海外の、特にウィスキーに特化したオークションのことです。
ここでは特に具体的なオークションサイト名を記しませんが、検索エンジンで Whiskey Auctionと検索するといくらでもヒットします。多くはイギリスのオークションサイトで、筆者が実際に使ったことがあるものもイギリスのオークションサイトです。
さて、海外での日本産ウィスキー人気の高まりを受け、そうしたオークションサイトに日本産ウィスキーを出品し、転売して儲ける人が出始めています。多くは個人で副業としてやっているケースが多いようで、中にはいわゆる酒の買い取り業者が本格的に出品しているケースもあります。ここでは、個人の副業としてウィスキーを出品する際のポイントをお伝えします。
海外オークションへ出品する際のポイント
副業として海外オークションへウィスキーを出品する際のポイントの第一は、なんといっても適切なオークションサイトを選ぶことです。選ぶポイントは①出品手数料、②管理料などの手数料の有無、③入金スピード、です。いずれも結構幅やバラツキがあるので、オークションサイトのホームページなどを見てチェックする必要があります。
また、出品する前に直近の落札相場をチェックすることも重要です。オークションは需給バランスで落札相場が上下するので、最新の落札状況をチェックする必要があります。特にいわゆるレアものを出品する前には相場チェックは欠かせません。
また、数量が複数ある場合は、できれば一本ずつ出品した方がいいでしょう。多くのオークションサイトは毎月オークションを実施しているので、相場を見ながら小出しに出品する方がいいです。一度に出品すると相場を下げる可能性が生じます。
さらに、レアものを出品する際にはできるだけ多くの情報を提供することもポイントです。そのウィスキーにまつわる逸話、歴史、生産者に関する情報、生産地に関する情報等々、あらゆる情報をできるだけ載せることです。ウィスキーのオークションに参加する人の多くは、投資目的でウィスキーを購入します。そうした人たちが次に転売できるイメージを描けるようにアシストしてあげるのです。
その他、気を付けるポイントは?
また、オークションに参加するには落札金額を入金してもらうための取引口座登録が必要になります。通常は日本の銀行口座を登録しますが、オークションサイトによっては数か月程度時間がかかります。お手持ちのウィスキーをできるだけ早くお金にしたいという人は、早めに口座登録の手続きをしておいた方がいいでしょう。
また、入金口座にペイオニアは原則使えないので注意が必要です。ペイオニアは酒の販売で得られたお金のやり取りが原則禁じられているからです。すでにeBayや米国Amazonなどでペイオニアを使っているという人は注意してください。
さらに、日本から現地までウィスキーを送る際に送料がかかりますが、それにも注意する必要があります。多くの場合、FEDEXやDHLなどの国際クーリエ便で現地へ送りますが、日本国内で集荷を依頼すると相当高額の送料が請求されます。一方、イギリスなどの現地で集荷依頼すると現地での送料が適用されるので、送料が安くなります。
なお、まれにアメリカのeBayで日本産ウィスキーを販売しようとする人を見かけますが、eBayでは酒類の出品はできないのでご注意ください。副業としてある程度コンスタントにウィスキーを出品したい場合は、上述のイギリスなどのオークションハウスに出品するしかないでしょう。
以上、日本産ウィスキーを海外のオークションで販売する方法とポイントをまとめました。副業としてはそれなりのコミットメントが求められる仕事ですが、ある程度本格的にやると、それなりの収入とやりがいが得られる仕事でもあります。興味のある方にはぜひチャレンジしてみてください。