経営者の副業

前にどこかのブログに書きましたが、私は、中小企業の経営者は、仕事がうまくいかなくなって収入がゼロになっても何らかの稼ぐ手段、つまり副業をできるようにしておくべきだと考えています。

一般的に会社で役員報酬が払えなくなった場合、ほとんどの経営者は銀行などからお金を借りて役員報酬を払おうとします。それはそれでよいのでしょうが、可能であれば、事業の赤字を借入金でしのぐのではなく、社長自身と家族の食い扶持を何らかの方法で稼ぐ方がベターであると考えます。

例えば、少し前に一緒に仕事をしていたある医療ベンチャー企業の社長は、本業の社長業のほかに医者をやっていました。ベンチャー企業ですから立上げからしばらくの間は利益が出ず、社長の役員報酬はゼロでした。それでも社長は家族を養わねばならないので、空いた時間を見つけては友人が経営する病院で外科医のアルバイトをしていました。

またある別の社長はERP系のIT企業を経営していますが、ERP系の仕事は浮き沈みが激しく、会社立上げ直後は売上が乱高下していました。売上が良いときは良いのですが、悪いときは運転資金がマイナスになります。するとその社長は、自らアウトソーシングで組み込み系の仕事を受け負い、自分の食い扶持を確保していました。その後会社の仕事が徐々に増えてきて、会社の売上が安定してきたので、社長はアウトソーシングで生活費を稼ぐ必要がなくなりました。

以上は極端な事例かもしれませんが、仮に会社の資金繰りが悪化して役員報酬が出なくなっても、そうした何らかの「稼ぐ手段」を社長が持っていたら、それはそれで非常に心強いと思うのです。では、どのようにして「稼ぐ手段」を持てばいいのでしょうか。これについてはご自分でじっくり考えていただくなり、試行錯誤していただくほかないかも知れません。